。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
低く言うと、男は顔を青ざめさせて
「な、なんだよこいつ……」」
弱々しく呟きあたしの手を払うと
「い、行こうぜ!」と言って束になった男たちは逃げていった。
「へ。バァカ」
中指を突き立てて逃げていく男たちの背中を見送っていると
ざわざわざわ
周りが騒がしいことに気付いた。
は!
やっちまったぁぁああああ!!!!
「お巡りさん!こっちです!こっちで喧嘩がっ」
誰かの声が聞こえて、
ヤベっ!お巡り!?
てか通報おせぇーよ!!!何でこのタイミングっ。
あたしは二人の手を取ると、
「と、とりあえず逃げよう!!」
慌てて走り出した。
―――
―
「はぁ……はぁ!も……ここまでこれば大丈夫…?」
ひとけのない路地裏まで走っていくと、
新垣 エリナは肩で息をしながら壁に手をついた。
「ほんま……全力疾走やなんて何年ぶり…」と女の人も心臓に手を当てて肩で息をしている。
「でも
お嬢ちゃん、ほんまに……おおきに。
うちを庇ってくれはって」
女の人は荒い息の中、途切れ途切れ言ってうっすらと笑った。
あ……
やっぱこの笑顔…
どこかで見た―――