。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
追跡!?
■ 追跡!? ■
遠くでケータイの音が鳴っている。鳴ってるのは分かってるけど
頭も瞼も重い…
「ん~もうちょっと…寝かせて…」
うわごとのようにブツブツ呟いて布団の端をきゅっと握っていると、
「……じょう…お嬢」
ゆさゆさ揺さぶられて、あたしは重い瞼をこじあけた。
寝起きのかすんだ視界に、キョウスケの顔が…
「ふぇ?」
自分でも間抜けだと思うような声が出て、目をぱちぱちさせていると
「お嬢…起きてください。戒さんが動き出しました」
と、キョウスケがあたしを覗き込んでくる。
「……戒が…?どこへ…?」
まばたきをして「うーん…良く寝た…」とその場で伸びをすると、自分が何も着ていないことに気付いた。
いや、ブラだけはちゃんとしてる!パンツも履いてるし、スカートも。
な、何で!?
……って、考えりゃ分かるつうの!あたし寝る前に戒と……
と…特別イケナイことしてたワケじゃないぞ!?
バッ!
横になったまま思わず布団をかき寄せると、
キョウスケが目のやり場にこまったように視線を泳がせ、
「先ほど戒さんが出て行きましたよ。どこへ向かったのか不明ですが」
と言って襖の向こうを睨む。
い、今のうちにふ、服!とりあえず服着なきゃ!!
と、そろ~と畳の上に散らばった服に手を忍ばせると
「新垣さんの家かもしれないです。どう思います?」
いきなり振り向かれて、露骨に目が合い
「わぁ!」
「す、すみません」
あたしは服を取り落とし、キョウスケは慌てて顔を逸らす。