。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
あたしはとりあえず新垣 エリナをおうちに送り届け、慌てて龍崎家に帰った。
元々の目的…鴇田に……コーチに脅しを掛けてもらうつもりがすっかり忘れちまった。
だけど鴇田だってあんな”大物”の来訪に、きっとそれどころじゃねぇだろうし。
「おかえり~♪新垣さんとデートは楽しかったぁ??」
何も知らないだろう戒はふわふわメガネの声であたしを出迎えてくれた
けど
近くに誰も居ないことを確認すると
「俺だってあんまデートしてないのに
妬けるぜ」
ぎゅっとあたしを抱きしめてきた。
いや…今はのんきに甘い雰囲気になってる場合じゃなくて…
てかデートってね…
そ、それより。
「か、戒…」
あたしは戒の胸に手をついて戒を引き剥がそうとすると、
「お。お前爪オシャレしてんじゃん。
可愛い。
すっげぇ似合ってるじゃん」
戒はあたしの左手をとってチュッとその場所にキス。
「お姫様みたいだぜ?」
戒がにやりと笑って、その色っぽい笑顔と甘い台詞に
ボッ!!
あたしは顔から火が出そうになった。