。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「うだうだ考えててもしかたない。
確かめにいこう」
戒が言い出して、あたしは目をぱちぱち。
「え!会いに行くって!!直接乗り込む気かよ」
「相手は俺の親父と、こいつのおやっさんだ。
息子が親に会いに行くのがどー不自然なんだよ」
そう言われて…
確かにそっか。と納得。
「お前も来いよ。
俺の親父に紹介する。
俺の嫁だって」
そう言われてあたしの頭を撫で撫で。
俺の嫁……
何ていい響き!
「俺も親父に紹介しようかな。
嫁候補だって」
とキョウスケが遠くを見ながらさらりと言い出した。
キョウスケ……リコとの一件があってからその手の話題は避けるかと思ったのに、何か吹っ切れたのか妙に堂々としてるし。
「はぁ!?
こ・れ・は!!
俺の嫁だっつうの!」
と戒はあたしの肩を引き寄せてキョウスケにガン垂れる。
「戒さんがおやっさんに会う本当の目的は、親に紹介して周りから固める寸法でしょう?
そうはさせませんよ」
ま、周りから固める!?
「バっ…!違ぇえよ!!
俺は何で親父がここに来てんのか単に知りたいだけだ」
「じゃぁお嬢を連れて行く必要はないじゃないですか。
やっぱり周りから作戦ですね。
油断も隙もない」
「油断も隙もねぇのはお前の方だろ!
隙あらばって感じで虎視眈々と狙いやがって!」
「戒さんだって隙あらばお嬢を部屋に引っ張っていこうとしてるじゃないですか!
そうはさせませんよ!」
「なんだよ、やるってのか!?ああ゛?」
「望むところです!」
ギャーギャー!
また喧嘩だし。
もぉいいよ、この展開。いい加減飽きたし、お前ら二人でやっててくれ。
あたしゃ疲れたから風呂入って寝る。