。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
例のごとく掴み合いの喧嘩にまで発展している二人を置いてあたしはマイペースに風呂に入り、
たっぷり時間を掛けて風呂に入ったてのに、出てきたとき組員が噂してた。
「おい!キョウスケがメガネを押し倒してたってホントかよ!」
「マジで!やっぱあれだ!
愛人がバレて、メガネに怒られたんだ!」
「そんでもって『好きなのはメガネくんだけ!』ってか!」
戒とキョウスケ…あいつら…
まだやってたんかよ。
てか…
組員の妄想…どーなってんだよ!
まだギャーギャー喚き声が聞こえてくる戒の部屋を素通りして、
あたしは自分の部屋に入るとベッドに寝転がった。
何で…
何で戒のおやっさんとキョウスケのおやっさんがこっちに来てるんだろう。
戒は緊急の幹部会とか言ってたけど―――
でも
組織の№1と№2が地元を離れたら、関西は大丈夫なんか?
ただでさえこっち(東)と違って、あっちはごたごたしてるっぽいのに。
あれ??でもキョウスケは…戒のお兄さんたちは有能って言ってた気が…
内部分裂も長老たちの派閥争いだとか言ってたような…
じゃぁトップと№2が不在のこの隙に入り込まれるんじゃ!
想像だけがあれこれ巡り、あたしはぎゅっと目を閉じた。
眠らなきゃ―――
明日は叔父貴の会社に乗り込む前に、戒とのデートだってあるわけだし。
明日…何着ていこうかな~
あたしの考えは西の心配よりもすぐにお洋服や髪型なんかの予定に切り替わり、
その夜は
あっさりと深い眠りに入った。
あたしの王子さま―――…
明日は素敵なデートにしようね。