。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
個室!?
■ 個室!? ■
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結局、ランチデートで何が食いたいのか悩みに悩んで出した答えが
『和食』だった。
「渋いな」と戒はちょっと驚いてたけど、だって前回のデートでイタリアン食ったし、昼から中華って気分でもないし、フランス料理はあたしが緊張するし。
ちょっとオシャレな和食屋さんに行ってみたかったてのもある。
あたしが将来出したいお店のリサーチも兼ねて♪
戒が連れてきてくれたのは和と洋が不思議に入り混じった…エスニック…って言うのかな、料亭っぽいちょっと高価な雰囲気のお店だった。
出迎えてくれた店員のお姉さんも着物のような制服に、目じりを赤いアイラインで彩ったちょっと色っぽい雰囲気。
「い…いいんか?何か高そうじゃね?」
高校生が気軽に入れるような雰囲気ではなくて、あたしは“個室”まで案内されるとき、後ろから戒の裾をちょっと引っ張った。
「そうでもないよ?」と戒はにこにこ。
そうなのかなー…
掘りごたつのお部屋は広くて、丸い窓とこれまた梅の花がおっしゃれ~に飾ってあった。
扇や能面なんかも飾ってあって、和風なのに洋風のランプなんかもバランス良く飾られている。
雰囲気は抜群にいい。戒め…さりげにあたしの好みの店をチョイスしやがって。
どこまでも手抜かりのないヤツ。
「ここ、料亭じゃなくて居酒屋だから気にするなよ。
夜は飲み屋になるけど昼はランチやってるって」
「へ…へぇ…おめぇ何でこんなとこ知ってんだ?また調べたの??」
おしぼりで手を拭いてると
「ユズさんに聞いたら教えてくれた。
あの人女ウケいい店いっぱい知ってるから」
ユズぅ??
「まぁアイツは元がホストだったから同伴やらアフターやらでいっぱい店知ってそうだけどよぉ。何であいつに?」
「あ、あははー、何か成り行きでぇ」
戒は言葉を濁してメニュー表を引き寄せる。
「ほら、コースランチあるぞ!」
強引にメニュー表を見せてきたが、怪しぃ。