。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
あたしはケータイを受け取ってメールの内容に目を走らせた。
“8月XX日、約束の日覚えてる?
いい加減返事を聞かせて。急いでよ、こっちも予定があるんだから”
内容を見てあたしは目を開いた。
約束の日―――……
何があるって言うんだ…
「でもこの日は日曜日で鴇田の事務所も休みだよな?」
戒が聞いてきてあたしは頷いた。
「この文面から見て―――…
相手は
女?」
「男かもしれねぇけど……ちょっと待った。響輔から相手先を特定したメールが続いてる。
いくつかのサーバーを経由したみてぇだな、特定に時間が掛かったか…
何なに?発信元は千葉県の…
伊予原 椿紀(イヨハラ ツバキ)?」
「ツバキってからに女じゃね?」
あたしが聞くと、
「そいやぁアイツ女友達が居るみてぇなこと言ってたな」戒は目を細めて、響輔から送られてきた文面を下へスクロール。
ディオールの新作グロスを見抜いたタイガ。ツレの女が詳しいとか言ってたな。
戒はスクロールするその手を途中で止めてパチンと指を弾いた。
「ビンゴ!伊予原 椿紀は千葉県内の出版社の勤めだ。
女性誌編集部の編集長だ」
女性誌の編集長―――……
確かにタイガは女性誌の編集長のツレが居るって言ってたけど…
でも何でタイガがこんな女と……?