。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
“伊予原 椿紀は見たところカタギのようです。
どの組とも無関係のようです。大狼さんとの接点は未だ不明。
現在41歳、16歳になる息子が一人。
犯罪歴もナシ。その他怪しい経歴はなく、現在は千葉県内の一軒家で子供と二人住まいのようです”
響輔のメールはさらに続いて、小さな顔写真も添付されていた。
ネットかどこかで拾ってきたものだろう、営業用のどこか堅苦しい真面目な笑顔を浮かべている。
「び…美人…」
編集長だって言うしな、キリさんとは違ったタイプだが、いかにもデキそうな女だ。
思わずつぶやくと
「ほんまに…あいつにもったいないわ」
と戒も呆れている。
「動画も添付されてるし、とりあえずこっち見てみようぜ」
戒は持ってきたイヤホンをケータイに差し込み、あたしと戒は片方ずつのイヤホンを共有して動画を開いた。
動画に映っている最初の映像は―――
青空が広がる野球のグラウンドだった。
動画はケータイで撮られているのかわずかにブレてはいるが、一人の被写体を映し出していた。
その被写体は
高校生ぐらいのユニフォームを着た
男の子―――…?