。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
どうゆうこと!?
何で戒がここに居るんだよ!
何でケータイの電源まで切って、あたしやキョウスケに隠れてこそこそしてるんだよ!
……って、今すぐにでも飛び出して問いただしたかった。
でも
「お嬢…ここは様子見ましょう」
一歩出かかったつま先を見下ろしてキョウスケがあたしの肩を引く。
「……うん」
結局、そう頷くしかなかった。
「ごめんね…龍崎くん。変なことに巻き込んで…」
新垣 エリナの押さえた声が聞こえる。
「いや、ええて。そう気ぃ遣わんといて」
戒も声のトーンを低めているが、それは警戒して意図して低めてるとかじゃなくて、具合が悪そうな声音だった。
「あの……大丈夫?具合…悪そうだけど…」
バイトでは未だ戒が風邪で休んでるってことになってるから、新垣 エリナもさすがに分かったんだろう。
「大丈夫や…」
路上に落ちた影が動く。手でも挙げたのだろうか。
「でも……あの…家で休んで行く…?」
新垣 エリナが心配そうに申し出て、
え!!?家っ!
あたしの方が驚いた。
思わず声に出そうになったが、キョウスケの手のひらが素早くあたしの口を塞ぐ。
「もがっ!」
あたしはキョウスケに口を塞がれたまま、
「しー…」
キョウスケは唇に指を当て、二人の会話に耳をそばだてている。