。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
オピウム―――…
彩芽さん……?
どうしてこんなところに。
「まだ彩芽さんとは判明してないけど。同じ香水使ってる女だっているだろうし。
でもちょっと気になるから、俺見てくるわ。
朔羅、怖いならここに居ろよ」
戒は鳥居の向こう側を気にしながらあたしの頭をぽんぽん。
いや…怖いけど、一人で居る方がもっと怖いし。
「あ、あたしも行く!」
結局、戒にぎゅっとしがみついてあたしは鳥居の連なりを歩くことを決意。
石の小路を歩きながら鳥居を見上げると、こないだ来たときは夜だったのかその景色が違って見えた。
昼間だから当然だろうけど、鳥居の朱色が鮮やかな青空に映えている。
「なぁ、この神社って青龍会に何の関係もねぇの?」
道を歩きながら戒が聞いてきて
「関係あるって聞いたことないよ。ヤクザが神頼みって感じじゃないだろ?」
「まぁなー。琢磨さんて超が着くほど現実主義者っぽいし」
事実、そーなんだよ。
叔父貴は幽霊の存在もまったく信じてないし。
「昔、叔父貴が高校生の頃ここじゃないと思うけど神社で爆竹ならして補導されたぐれぇだからな」
「バチ当たりな…俺、そこまでヤンチャじゃねぇぞ?」
戒は白い目であたしを見てきて
「夜のプールでヤってんのと同レベルだよ」
あたしは思わず戒を睨み上げた。
戒は、そそそ…とあたしから視線を逸らす。
「さっすが(戸籍だけ)親子??」と苦笑い。
ったく。都合の良いときだけ親子なんだから。