。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



「お前は無いの?一ノ瀬と何かやらかしたとか」


戒に聞かれてあたしは首を捻った。


「ちっさいイタズラならしたと思うけど、そこまで派手なのはねぇよ」


ああ……でも





雪斗のことは―――……






雪斗を刺したのは、小さなことじゃないな。


―――そしてその凶器をあたしは庭に埋めた。


どうして庭だったんだろう。


どうして、こうゆう神社じゃなかったのだろう。


そう思うけど


結局、あたしは自分の目の届かない場所に凶器が埋まってると言う事実が怖かったんだ。


いつか……誰かに


発見されるのを恐れていたんだ。




戒と居ると、幸せで―――たまにあたしが犯した過去の過ちを忘れてしまうことがある。


でも忘れちゃいけないんだ。


決して消し去れることじゃないんだ。




そんなことを考えていると、戒がぐいとあたしの手を強く引いた。


「昔さ、俺…響ちゃんと神社でかくれんぼした」


さりげなく全然違う話題を出して笑顔なのは、あたしの気持ちを察してくれたからだろうか。


あたしも戒が元気付けようとしてくれることに笑顔を返した。戒が好きだと言ってくれた笑顔を―――





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