。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「か、戒…!まさか撃つ気!?
ダメだよ!」
あたしが思わず言うと、戒は男を見据えたまま銃口をさらに近づけた。
「俺がハジキなんて扱えんガキや思うたら大間違いやで?
額に風穴開けたくないんなら
吐けや。
お前はなにもんなんや。誰かに雇われたんか?
何で俺らのあとを尾けてきたんや」
「やれるもんなら…」
男が挑発的に戒を睨み、にやりと不気味に笑った。
戒が無表情に引き金に指を置く。
「か、戒!ダメだ!」
あたしは戒の腕に縋って止めようとするも、戒の握った銃口はブレない。
「お、お前も吐いちまえよ!こいつはミリタリースクールにも通ってたし、ハジキの扱いにも慣れてる!
訓練受けてるんだよ」
戒は本当に撃つ気だ。躊躇なく。
あたしが止めても、こいつらの正体を聞くまで。
あたしが男の方を振り返ると
「ミリタリースクール……お前…軍隊に…?」
男が目を開いた。
「朔羅、余計なことは言うな。もう一度だけチャンスをやる。
五秒やるからその間に考えろ」
5.4.3…
戒が口の中で唱えるごとに、トリガーにこもる力が強まっていく。
そんな気がした。
「か、戒――――!」
あたしが叫ぶと同時だった。
「白へびだ!」
男が同時に叫んだ。