。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
よろけるように飛び出て、すぐに戒の言われた通り別の木に身を潜める。
あたしは戒を不安そうに振り返ったが、戒はいつもの手と指の合図で鳥居の向こう側へ逃げろと合図してくる。
戒―――……
戒が心配だったが、銃撃戦なら実線積んでるあいつの方があたしより有利だし。
相手の攻撃も読めるかもしれない。
何より足手まといになって二人ともその餌食になるのを恐れていた。
あたしは言われた通り鳥居の方へ逃げ込み、ケータイを取り出しキョウスケのメモリを開く。
予想もしてなかった急な襲撃と、戒が心配だったのもある。
あたしの手は震えてなかなかキョウスケの名前を出せなかった。
ちらりとご本堂の方を見ると、
戒も機会を伺いながら顔を出し、ハジキを構えて撃ち放った。
白へびはサイレンサーでもついてるのか、音はほとんどと言って聞こえてこないが、戒の方はサイレンサーがついていない。
聞きなれない轟音に耳を塞ぎながら、身を屈めてようやくキョウスケの名前を見つけ出した。
相手は幸いにもすぐに電話に出た。
『はい』
「キョウスケ!あたしだ!!何者かに…!」
状況を説明するも、戒のハジキの音であたしの声はところどころかき消される。
『お嬢!どこですか!』
キョウスケも何となく察したのかもしれない。
「ここは…」言いかけて、戒の攻撃をかわすためか木陰から誰かが移動した気配があった。
一瞬のことで分かりづらかったけれど、長い髪が揺れて白いジャケットの裾が視界に映る。
白い女―――
子供たちが言っていた言葉を思い出す。
戒も手こずってる狙撃主は
女?
スネークじゃ
ない。