。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「ジョークだよ」
刑事が薄く笑い、乗り出していた体をもとに戻す。
この刑事…まさか銃撃があったこと知ってるんじゃ!?
あたしの額から嫌な汗が流れたが、
「ブラック過ぎますね。笑えませんよ」
キョウスケが無表情に言って、刑事はちらりとキョウスケの方を見るも、すぐに手帳を開いて手順通りの聴取に移る。
「その場に居合わせた不良グループと言うのはどっちの方向へ逃げていった」
「どっち…って…」
予期せぬ質問にあたしがしどろもどろになる。
「知るかよ。揉めてたらあっという間に警官たちが来たから、俺らだって慌ててたし」
と、戒がアシストしてくれるも
「それはおかしいな。あの神社の神主が君たちの入って行ったのを見ている。
その後に男たち二人が入っていった。その後神社を出る者は居なかったらしい」
射抜くような刑事の視線に、手のひらにもじっとりと汗が浮かんだ。