。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
署を出ると、署の前に車の前で鴇田が控えていた。
後部座席を開いていて、あたしたちに入るよう促す。
鴇田―――……こいつも来てたんか。
そしてこいつもインカムのイヤホンを耳にしている。
厳戒態勢ってのは外れてなさそうだ。
あたしが乗り込もうとした瞬間、
「お嬢……」
鴇田に止められた。
何だよ!
いぶかしんで顔をあげると
「龍神社に行かれたそうですね……そこで何か見ませんでしたか…」
いつになく歯切れの悪い鴇田に
「見てねぇよ」と無愛想に返す。
そのすぐ後ろに戒が乗り込んできて、鴇田は諦めたように助手席の扉を開けて叔父貴を促した。
「どうやら知られたくないものがあったのは、
琢磨さんじゃなくあっちの方だったようだな」
にやり、戒は口の端を緩めてうっすら笑い、鴇田が運転席に乗り込む様をじっと睨んだ。
鴇田―――…
あの神社に何を隠したんだ。
あの神社にどんな秘密があるってんだよ。
そしてその秘密を、白へびは狙ってる。
同時にあたしたちの命も
狙われた。
早いうち何があるのか確かめなきゃ!