。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「あいつは…軽蔑なんてせぇへんよ。
あいつは誰よりもあんたの痛みが分かると思うし。
あんたが言うとおり、あいつほんまに優しいヤツなんや。
それにあいつだけは、あんたの痛み等身大で受け止めれるやっちゃ。
あんたの心の痛み、オトコの俺には分からへんし…
あいつに聞いてもらうとすっきりするんちゃうか?」
戒が優しく言って、新垣 エリナを宥めている。
二人の会話から…大体―――…何があったのか分かった…
戒がこうまでしてあたしに秘密にしたがった理由も。
最初から気付いてたのかもしれない。
コーチと名乗る男に出会ってから。
あたしの傷。
それはあたしを守ることでもあったんだ―――…
「……うん、…うん!ありがとう…龍崎くん!」
新垣 エリナはとうとう声を挙げて泣き出した。
あたしも新垣 エリナと一緒に泣きたくなった。
キョウスケはただ黙ってあたしの肩を優しく撫でてくれる。
キョウスケも―――何となく気付いたのかもしれない。
「どうします……?戒さんどこかへ向かうつもりですけど…
戒さんの口から直接話を聞くまで待ちますか?」
そう聞かれたけれど、あたしは頭を振った。
戒がどこで何をしようが、結果を話してくれるまで待つのが一番だけど
今のあいつは体調不良だ。
「このまま後を尾ける。
影で戒のサポートだ」