。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「あ、あはは~…また今度の機会に…」
あたしはすぐ隣で睨みを利かせている戒が怖くて見れず。
笑ってごまかしたけど
「冗談だ。行くぞ」
そう言われて叔父貴に手を引かれる。
その触れた手に、何かの小さな紙切れを手渡された。
それはほんの一瞬の隙に。
何だろう。
思わず開こうとすると、叔父貴はその手を阻んだ。
「俺の部屋番号だ。
気が向いたら来てくれ」
叔父貴は誰にも聞こえない小さな声でつぶやき、
ドキリ
またも心臓が強く打つ。
あたしは慌ててメモ用紙をスカートのポケットに仕舞いいれた。
行かないよ。
行けないよ。
だって叔父貴の気持ちを知っちゃったから。
その扉を開けた瞬間、あたしは叔父貴の姪じゃなく、“女”の意味を持つから。
でも厳戒態勢の中、あたしを誘ってきたのは
他に意味があってのことだろうか―――?