。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「は、はじめまして!龍崎 朔羅と申します!」
弓枝姐さんの反応を考えると名乗るのが億劫だったが、
「ああ!お嬢さんが龍崎はんの姪御さん!
いやぁ会いたい思うてたんです」
弓枝姐さんのときと違ってこっちはかなり友好的。
しかも
「お初にお目に掛かります。私、鷹雄 響輔の父、鷹雄 耀司(タカオ ヨウジ)言います」
キョウスケパパは恭しくお辞儀をして、スマートな仕草であたしの手をそっと握ると手の甲にそっと口付け。
へ!?
びっくりして目をまばたくと
「気ぃつけろよ、朔羅。
響輔のおやっさんは過去に女100人斬りした伝説の男だ。
弓枝姐さんと出会ってから、姐さんに一目ぼれしたおやっさんがその日から毎日ラブレターと贈り物攻撃、
二年掛けて口説いて、ようやくお付き合いの兆しが見えたらそのまま役所にGoだ。
ほとんど強引に弓枝姐さんと結婚して、うまく収まったわけだけど」
100人斬り…
役所へGo…
色々、凄い経歴をお持ちで。
あたしは目を点。
キョウスケがまともに育ったのが不思議だな。
だけど忍耐力だけは受け継がれてるみたいだ。
「俺の嫁さん候補」とあたしを勝手に紹介。
「ほんまか!男なら奪ってなんぼや!!
俺かてお前の母さんを落とすときは、あの手この手で……」
おとーさん、それ以上は言わないでください。
ガンッ!
すぐ近くで物音が聞こえて、どうやらグラスの水を飲んでいた叔父貴がグラスをテーブルに叩きつけた音だと気づいた。
あたしは振り向かなくても分かる。
叔父貴……背中から殺気が駄々漏れなんだよ!