。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
戒のおやっさんはすらりと上背が高く、細身のスーツを粋に着こなしていた。
口元に薄い口ひげをたくわえていて、戒と良く似た琥珀色の髪はきちんとオールバックに撫で付けてある。
細い眉や薄い口元が厳格そうに見えたが、目じりに刻まれた皺が愛嬌を感じる。
決してごっついマッチョマンじゃないのに、その背後に
虎の幻影を見て
あたしは思わず息を呑んだ。
黙っていても、かしずかずにはいられない。
これが―――この人が
関西の頂点に立つ人。
龍を脅かす存在。
それは気高くも美しい
白い虎。