。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
何て答えていいのか分からなかった。
あたしはそんなにありがたがられる存在じゃない。
龍崎家を出ればただの女子高生だ。
だけど、そんな女子高生に敬意を払ってくれる。
「堅苦しいのは嫌いなんですわ、
かりにも貴方は戒の婚約者やし。結婚後は私の家に来ていただくこともたびたびありますよって、
気軽に接してください」
親しみやすい関西弁でそう言われて急に肩の力が抜けた。
「大丈夫か、朔羅。
親父、朔羅をビビらせてんじゃねぇよ」
「ム。
私は怖がらせたつもりはない。
ただ、予想以上に可愛い子やったから、ちょっとドキしてまっただけや」
ドキ??
いや、あたしはまだ(色んな意味で)ドキドキいってますけど。
「おかんに言いつけてやる!親父が他の女に色目使こてるてな!」
「そ、それだけは堪忍!」
戒のおやっさんは急にあたふた。
「私が愛してるのは鈴音だけや」
「あんた相変わらずやね。おかんにラブラブ。きしょいわ!」
戒がブルブル身震いして、
あれ??
さっきの怖いまでの白虎の気迫はどこへ??
あたしは思わず首をひねった。