。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
あたしは引っ張られるまま男子トイレの個室へ。
てかさすが一流ホテルの個室なだけある。
すっげぇきれいだし。
なんて感心してる場合じゃねぇよ!
「ここ!男子トイレ!!」
思わずそう怒鳴ると、
「俺が女子トイレに入ったら変態だろ?」
戒が個室のドアを閉めながら鍵も掛けてドアにもたれかかった。
「女のあたしが男子トイレに入ってても変態だよ!
それともなんでぃ!あたしが男子トイレに入ってても違和感ねぇっつのか?」
思わずガン垂れると、
「そうゆうことじゃねぇって」
戒は両手を軽く挙げてお手上げのポーズ。
「じゃどうゆうこと…」
またも喚こうとすると、戒の両腕が伸びてきてあたしを挟むと壁際に追いやった。
てか所詮はトイレの個室だしな、追いやるもなにもちょっと手を伸ばせばあたしの逃げ場はないって言うか…
「静かにしろよ。
襲うぞ?」
戒が口の端でにやりと意味深に笑い、あたしの耳元でそう囁いた。
知らなかった…
トイレの個室がこんなにデンジャラスな場所だったなんて。
あたしは追い詰められた子うさぎのようにブルブル。
危険……過ぎる。