。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「まだそうと決まったわけじゃないし、もしそうだとしてもキリさんの狙いは俺たちの命じゃなく目的は他にあるかもしれないけどな…」
戒が慰めるようにあたしの髪を優しく撫で、頬に指を滑らせた。
「でも…人を二人も殺してるんだよ……
あの優しいキリさんが…?」
「殺し屋ってのはそうゆうもんだ。普段はまったく違う仮面を被っているが、それがやつらの真の姿だよ」
困ったように眉を寄せて、戒があたしの頭を引き寄せる。
「なぁ、俺……朔羅を怖がらせるために言い出したわけじゃないんだ。
お前が心配だから、
タイガに連れていかれたときのように、俺が黙ってたばかりに
お前が俺の知らない場所で知らずに危険に巻き込まれるかもしれない。
だから…」
言いかけて戒はため息をつき、こつんとあたしの頭に顎を乗せてきた。
「動揺させちまって悪い。
こんなときに―――…」
あたしは戒の顔の下で頭を振った。
「ううん……教えてくれてありがと。
お前が心配してくれてるのも分かったし。なぁあたし、どうすればいい?」
あたしはバカだから、戒やキョウスケみたいにその場で臨機応変にすぐに考えられるわけでもないし。
「響輔と三人で行動するのが一番だ。まずは分からないことから解明していこう。
龍神社に隠されていた秘密……鴇田の秘密を知ることが一番だ。
見たところ、琢磨さんも鴇田も今回このホテルでは同じパソコンを使ってる。
響輔の話に寄ると特殊な周波をキャッチしてるらしい。外部からのハッキングはもちろんできないし、危険性もある。
だから今パソコンの中身を調べたい。
出てくるのが鴇田の秘密じゃないにしろ、今日の食事会に秘められた裏事情が知れるかもしれねぇしな」