。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「直接パソコンを触ればいいって話だな。あたしが叔父貴のパソコンをなんとかするよ」
あたしがぐっと拳を握って顔を上げると
「でもお前が変な行動取れば琢磨さんだってさすがに不審がるだろ。
響輔も交えて三人で打ち合わせしたいんだが…」
戒は考えるように顎に手を当て、
なんとか……
なんとかパソコンを手に入れられることってできないだろうか。
あたしも考えた。
スカートの裾をぎゅっと握って、そのふしにポケットの中で紙がこすれるかすかな音がした。
!
あたしは閃いてポケットから叔父貴の部屋のメモ用紙を取り出した。
「叔父貴は今日この部屋に泊まるはず!
叔父貴はあたしだったら部屋に招きいれてくれるだろうし、その隙に!」
握ったメモを戒に見せると
「これ―――……どこで……」
と目を細めた。
まー、とーぜんそーなるわけで…
それでもさすがに部屋に誘われた、とは言えねぇ。
「これをどこで手に入れたんだよ。
龍崎 琢磨がお前に手渡したんか?
あいつ、こそこそしやがって。
てかある意味堂々としてんのか。この厳戒態勢で誘ってくるとか…」
戒は「ちっ」と小さく舌打ちしてあたしからメモを取り上げた。
「あいつがそのつもりだったら、なお更行かせられない。
それでも行くっつうなら…」
戒が声を低めてまたもあたしの耳元に顔を寄せる。
「行く…って言ったら…?」
恐る恐る問いかけると
「行かせねぇよ。
絶対な」
戒は言葉とは反対に、耳元でくすぐるような甘い声で囁きあたしの腰を引き寄せた。