。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
腰を引き寄せられて、狭い個室だったってのもある。
あたしはあっさり戒の腕の中に納まり、ついでに言うと素早い動作で顎を持ち上げられ突如口付けが降りてきた。
「ん……!」
戒の肩を押し戻そうとするも、戒の体はびくともしない。
やがて合わさった唇の合間から戒の舌が入り込んできて、あたしの体がびくりと震えた。
強引なその深い口付けに抗うこともできず、でも不思議と全然いやじゃない。
あたしは大人しく戒の首に手を回した。
最初は強引だったけれど、戒の舌はやがて優しくあたしの舌と絡まる。
あったかい戒の舌とあたしの体温がまざりあってトロトロに溶けていく感じ。
腰に力が入らなくなってよろけると、戒は力強くあたしを抱きとめてくれる。
腰を一層強く引き寄せられて、あたしも戒の首に回した腕に力を入れた。
口付けは数秒の間だったけれど、唇を離すと
「はぁ……」
戒はため息をついてあたしを抱きしめ、あたしの肩に顔を置いた。
「あいつのところなんて行かせたない。
絶対に…」