。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
そっと囁かれて、
「……うん」
赤くなったまま頷くと、あたしの肩に頭を乗せた戒とばっちり目が合っちまった。
ドキリ、として顔をそらそうとするも、意思とは反対にあたしは戒のおでこにそっとチュー。
戒がくすぐったそうに笑って
「続き…したなるやん」と冗談ぽく笑う。
あたしは顔を熱くしたまま、戒をじっと見つめて
「うん…」
素直に答えると、
「でもさすがに戻ってこないと怪しまれるしな。それに初がここってのも…」
戒は顔を起こすとあたしの後ろにある白い様式の便器を眺めてわずかに顔をゆがめた。
「それにしてもここ…便所なのにいい香りするな…
華の香り…??」
戒が鼻をひくつかせて、あたしはちょっと背伸びをすると戒の唇にそっとキス。
「ああ、お前の香りか。
チェリーブロッサムや。
俺の好きな香り」