。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「ほぉ、放火犯は禁固15年は固いぞ?
俺は弁護士を紹介してやらんから、そのつもりでな」
叔父貴が余裕の笑みを浮かべて口の端で笑い、
「言葉通りに受け取ってんじゃねぇよ。
巨大な“プール”で消火できんだろ?
言ってる意味分かる?おっさん」
戒も叔父貴を挑発するように薄い笑みを浮かべた。
プール…最初は意味がわかんなかったけど
「鴇田に言っておきな。
マネーロンダラーなんて危ない橋渡ってないで、そろそろ本職に戻ったら?ってな」
戒の言葉に叔父貴の目が一瞬だけ険しい光を浮かべた。
戒は叔父貴を脅迫してるんだ。自分はマネーロンダリングで得た裏金の証拠を掴んでるって。
だが
「何が望みだ」
叔父貴はすぐにいつもどおりの余裕の表情で笑って聞いてきた。
「今回は喫煙の、ち・ん・も・く♪
これでチャラにしようぜ?」
戒がにやりと笑い、叔父貴も
「ふむ、いいだろう。一回だけだからな」
と言って大人しく顔を引っ込めた。
すぐに
ガチャっ
隣室の扉が開く音がして、
ガンっ!!!
あたしたちの個室を蹴り上げる音が響き、あたしはビクっ!
「いいか、クソガキ!朔羅を三分以内にあの場に返せ。
キョウスケと引き換えだ。
もし戻らなかった場合、キョウスケの命の保障はない」
――――…!
叔父貴の出してきた条件に、あたしは目を開いて思わず戒にしがみついた。
「クソジジぃ!やれるもんならやってみな!
俺の親父と響輔のおやっさんが黙っちゃいないぜ。
戦争を仕掛けるつもりなら別だがな」
戒の答えに叔父貴は「ふん」と小さく笑って今度こそトイレを出て行ってしまった。