。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
朔羅は自然な動作でバッグの中からハンカチを取り出して汗を拭くふりをして、受け取ったカードキーを手をする。
そのカードキーをしばらくの間朔羅は眺めていたが、その手元を龍崎 琢磨が覗き込んでいる。
「どうだ、女の子が好きそうな部屋だぞ?
ルームサービスも自由にとっていいからな」
なんでもないように言ったが向こうも俺がキーに細工していないか確認したに違いない。
だがキーに何にもしてないぜ。
朔羅はぎこちなく龍崎 琢磨に笑顔を返している。
「せっかく高いお部屋だから、リコと来たかったな~」
「リコ…って川上さんか?それなら後日手配してやるぞ?
女子会って言うんだろ、そうゆうの」
「お泊り会って言うんですわよ、会長。
もしくはパジャマパーティー。ね、朔羅さん♪」
朔羅のすぐ後ろから朔羅の両肩に手をポンと乗せ、キリさんはにこにこ。
「あ……はい」
朔羅は龍崎 琢磨の返答以上にぎこちなく笑って、少しだけ不安そうに俺を眺めてきた。
大丈夫だ、普段通りに。
そう言う意味の視線で頷くと、朔羅もわずかに頷いた。