。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



「お泊り会…パジャマパーティーって何するんだ?」


龍崎 琢磨が不思議そうに首を捻って、


「特別なことは何もしないよ。パジャマ着て夜中までお菓子食べたりジュース飲んだりしながらひたすら喋るの」


「恋バナとか☆」


キリさんが楽しそうに笑って、


「楽しそうどすな~!うちもまざりたいわぁ♪」


おかんが参戦。


「おかん…もう女子って歳やないやろ。ほら、大人しい親父と部屋行っとって」


俺は朔羅からおかんを引き剥がし、


『大丈夫だ、いつも通りに』と言う念押しの意味で朔羅に無言で頷きかけていると


「女子て歳やないて??あんたは一言余分なんや!」


バシっとおかんに頭をはたかれる。


龍崎 琢磨は「ふっ」と小馬鹿にしたように喉の奥で涼しく笑って、


「キリ、朔羅を部屋に案内しろ」


とキリさんに命じ、朔羅、キリさん、龍崎 琢磨が三人でエレベーターを上がっていった。


「お前たちは私が部屋に連れて行く」


鴇田が俺たちの後ろに立ち、


案内と言うより、連行されるような形で別のエレベーターに乗り込む。


部屋に案内されるまで、俺はあたりの様子を記憶に焼き付けるように目に入れた。


広いロビーもホテルの廊下もあちこち黒いスーツを着た男たちの姿が目立つ。


みんな耳にインカムのイヤホンをつけていて、しかも見た感じ、どの男たちも訓練されていそうでそれぞれの力量がまだ分からない。


倒せない人数じゃないが、派手に暴れて龍崎 琢磨に勘付かれるのは避けたい。




強行突破は難しそうだな。








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