。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
倒れた男の耳からインカムのイヤホンと集音マイクを取り外し、響輔に放り投げる。
「これで一個ゲットや♪」
「あと二個ですね」
次に俺は男から服を脱がせると、パンツだけ残して男をバスルームに引きずっていった。
男をバスタブに放り込み、
「俺、今夜だけはこのバスルーム使いたないわぁ」
「同感ですね。お嬢のお部屋のを借りましょう」
「成功したらな」
「成功させるんですよ」
響輔が淡々と言って、服を脱ぎだした。
俺は壊れたスタンドライトのコードで男の両手を後ろ手に縛ると、部屋の内線電話から引き抜いた電話のコードで足を縛り、
さらにはバスルームを湯で満たした。
万が一起き出してきても、身動きとると溺れ死ぬ寸法だ。
「肝に銘じておけよ?
ホテルは決して安全な場所じゃないってな」
気を失っている男を指差しすると、
男から奪ったスーツに着替えた響輔が、洗面所で髪を撫で付けながら、
「ハジキはどうします?解体して水に沈めておきます?」
と聞いてきた。
「いや、持って行く。龍崎 琢磨も鴇田も持ってるからな。万が一の保険だ」
俺はマガジンに装填してある弾を確認して、再びセットするとジーンズの腰にねじ込んだ。