。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
距離を―――…
それは叔父貴の本音―――?
「距離を縮めたかったら、何で戒をあたしに近づけたの?」
だからあたしも本音で聞いた。
『朔羅、その質問は…』イヤホンから戒の声が聞こえてきて、止めるよう指示があったが、あたしはそれを無視してさらに勢い込んだ。
結果あたしは戒を好きになったからいいけど。でも納得いかねんだよ!
「ねぇ、何で!
叔父貴が望む関係で居たかったら、何で戒の嫁になれなんて言うんだよ!
それとも戒との結婚はうわべだけで、あたしに叔父貴の愛人になれってつもりか!」
『朔羅!』
戒の制止する声が聞こえてきた。
でも
今目の前で向き合ってるのは戒じゃなく、
―――叔父貴だ。
「そんなつもりはない」
叔父貴はいつもの調子に戻って冷たく言うと、あたしから顔をそらした。
「納得いかねぇんだよ!
戒の嫁になれって言っても、今日は戒に隠れてこそこそ誘ってきたり!
矛盾だらけなんだよ」
「黙れ…」
叔父貴は忌々しそうにグラスを乱暴に傾け、
「命令なんて聞かない!あたしは叔父貴の…」
バシャッ!
ガタン!!
水をぶちまける音と、グラスがテーブルに転がった音が聞こえて
あたしは叔父貴の唇で、自分の唇を塞がれた。
―――…!!