。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
でも、今は壊れたUSBを気にしてる余裕なんてねぇ。
バレた以上は一刻も早く撤退しなければ。
叔父貴の拘束から逃れ、一瞬の隙をついてあたしが叔父貴の腕から逃げ出すと
「待て…!」
叔父貴の手が再び伸びてきた。
その手を振り払おうと拳をかまえたときだった。
「……っ!!!」
叔父貴はまたも腰を押さえ、がくりとベッドに手を付く。
叔父貴の腰痛も心配だったが、今は逃げ出すのが先決だ。
あたしは薔薇の花束を叔父貴にぶつけると、叔父貴はその攻撃を食らって一瞬だけ動きを止め怯んだ。
逃げなきゃ!
そう思うのはあたしの中に眠る本能なのか―――
腰を患ってる叔父貴に容赦なく膝蹴りをお見舞いすると、叔父貴は
「ぐっ!」と呻いて腰を折った。
「くそっ!」
叔父貴も余裕がないのか、あたしの腕を掴んで乱暴にあたしをベッドに貼り付ける。
もう一度…今度は肘うちを繰り出そうとしているときだった。
カチャッ
「手を挙げな。
それ以上、朔羅に指一本触れるんじゃねぇ」
ハジキを構えた戒が、その銃口を叔父貴の後ろから叔父貴の頭部に向けて立っていて、
あたしの目から涙がこぼれた。