。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。


戒はあたしらの方を気にしながらも、新聞を読んでいるし


キョウスケは疲れたのかシャワー後すぐにベッドに横たわり、


キリさんはあたしにくっついたまま、ドクターは話し出す。


「昔むかし、あるところに一人の若者がいました」


「童話の読み聞かせとか言ってたよな、何の話だよ」


布団からちょっと顔を出してドクターを見上げると、


「あなたも知ってるお話を私的にアレンジして♪


ドクター鴇田版『ロミオとジュリエット』です」



ドクターは得意げになって人差し指を立てる。




「シェイクスピアか。


ふぅん、おもしれぇじゃん。


ちょうどいい暇つぶしだ。





聞いてやんよ」




戒はその話とやらに興味を持ったのか、読み終わった新聞を放り投げベッドに寝そべった。


そう言えばこいつ本とか好きだったよな~…


シャワーを浴び終えた戒の、まだ半乾きの茶色い髪が額を流れる。


お前……なんで寝そべってるだけなのにそんなにエロいんだよ。


てかその色っぽい視線でこっち見るな!


あたしは慌てて布団を引き上げドクターの話に耳を傾けた。


「若者はある日、遠い町で一人の女性と出会います。


彼女は美しく賢く、優しい女性でした。


彼らは出会ってすぐに恋に堕ち、やがて夜を共に……フフッ」


ロミオとジュリエットだろ??


何でそんな意味深なんだよ!



突っ込みどころは満載だったが




「つまりはエッチしたってわけだ」





戒が興味深そうに「ふんふん」頷いて、


「早い話そーです♪」


ドクターは面白そうに笑い、


ロミオとジュリエットってもっとロマンチックな話だよな!何で十八禁映画みたいな流れになってんだよ!


と色々突っ込みたいあたし。


「その若者…ベッドではどうだったのかしら」


キリさんも!


何であんたらそこにこだわるんだよ!






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