。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「―――…と、まぁ出会って至極自然な成り行きで“そう”なったわけですが、
実は若者と女の人は敵対する組織の人間同士だったわけです」
ふむふむ。
ロミオとジュリエットだな。
確かミノモンタ家とキューピーマヨネーズ家だっけ??
(※正しくはモンタギューとキャピレットです。おバカな朔羅をお許しください)
「彼らはその事実を知っても尚、こっそりと会い続け愛をはぐくみましたが
やがてその事実は両組織の親たちに知れ渡ることになりました。
若者は即刻自分の土地に戻され、若い恋人たちはその仲を引き裂かれ、泣く泣く分かれたのでしたが
ある日、彼は衝撃の事実を知ってしまうのです」
ドクターがかっ!と目を開いて、
何だかシェイクスピアのお話よりも火サスになりつつあるような……
「しょーげきの事実って何だよ」
戒はこの話に興味が沸いてきたのか、先を促すように聞き、
「実は彼女は人間じゃなかったとか?」とキリさんが面白そうに聞く。
「人間じゃないって宇宙人とか?」戒もふざけてキリさんの話に乗り
「アンドロイドとか♪」とだんだん火サスがSFになってきたよ。
二人が楽しそうに想像…妄想する中、
「彼女が若者の子を身ごもっていた、とか」
今まで寝ていたと思われたキョウスケがベッドの上でぼそっとつぶやいた。