。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
あたしは思わずカードと鴇田を交互に見比べて
「…え…え??」
と間抜けに返した。
「会長も言い過ぎたと反省しておられるようです。それはどうかお収めください」
無表情に淡々と言われて、あたしはその薔薇をぎゅっと握った。
昨日あった棘はきちんと処理されて、あたしが強く握ってもその茎で怪我をすることはなかった。
叔父貴―――……
あたしがひどいことしたって言うのに…
思わず目じりに涙が浮かび、あたしは慌ててそれを拭うと、もう一つのクロッシュを開いた。
その皿にはホットケーキが乗っていて、生クリームやイチゴとかあたしの好きなものばかりがトッピングがしてあり、ホットケーキにはチョコのデコで
「I’m Sorry. From Takuma」
と英語の筆記体で書かれていた。
またもびっくりして目をまばたくと
「私はやめた方がいいと申しましたが…
お嬢が英語を読めるかどうか不安だったので日本語をお勧めしたんですが」
「おい!これぐらい読めるっつうの!てかあたしを何だと思ってやがる」
思わずガン垂れたが、
何だか拍子抜けであたしは薔薇を握ったままソファに腰掛けた。
鴇田がテーブルにホットケーキの皿やオレンジジュースのグラスを並べてくれているのを眺めながら
「あたし……叔父貴にひどいことした」
俯きながら呟いた。