。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



「バカやるぉう!あたしゃお前の体なんて目当てじゃねんだよ!


お前にちょっと協力して欲しいことがあって!」


そう言うと鴇田はまたも余裕の笑みで



「協力?私は一体何をすればよろしいのですか」


と面白そうに聞いてきた。


こいつ…完全に面白がってやがるな。


でも今はこいつに頼るしかねぇし。



「実はあたしの友達が…」


あたしはかくかくしかじか、マドンナ新垣 エリナの付きまとっている淫行教師を追い払って、ついでに彼女には一生付きまわとわないで欲しい、と説明すると


「なるほど、そうゆうことでしたらお受けいたします」


鴇田はこっちがびっくりするほどあっさり引き受けてくれた。


絶対面倒くさそうな顔をされると思ったのに。


でもこの際、こいつの態度なんてどーだっていい。


「時給600円ってとこでどーだ?」


あたしがフォークを握ったまま真剣に鴇田を覗きこむと


「どこの高校生のコンビニのバイト代ですか」


と鴇田は眉を吊り上げる。


ま、まぁ??こいつは指一本で、ほんの数秒パソコンを操るだけで数億を動かせる男だがな。


「何故時給換算するんですか」と鴇田は若干呆れ顔。


「だってお前に貸しを作りたくないし」


「私を金の亡者と思わないでください。


たまには慈善事業をしてもいいと思ったからです。


仮にもあなたは龍崎組のお嬢だし」


「……ふーん…まぁお前の考えは分かった。


……ところで…“じぜんじぎょー”って何??」


「………」



パタン


鴇田は新聞を閉じて、


「ボランティアのようなものです」


鴇田は簡単に言って、呆れたようにコーヒーに口を付けた。






< 332 / 841 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop