。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「バカやるぉう!あたしゃお前の体なんて目当てじゃねんだよ!
お前にちょっと協力して欲しいことがあって!」
そう言うと鴇田はまたも余裕の笑みで
「協力?私は一体何をすればよろしいのですか」
と面白そうに聞いてきた。
こいつ…完全に面白がってやがるな。
でも今はこいつに頼るしかねぇし。
「実はあたしの友達が…」
あたしはかくかくしかじか、マドンナ新垣 エリナの付きまとっている淫行教師を追い払って、ついでに彼女には一生付きまわとわないで欲しい、と説明すると
「なるほど、そうゆうことでしたらお受けいたします」
鴇田はこっちがびっくりするほどあっさり引き受けてくれた。
絶対面倒くさそうな顔をされると思ったのに。
でもこの際、こいつの態度なんてどーだっていい。
「時給600円ってとこでどーだ?」
あたしがフォークを握ったまま真剣に鴇田を覗きこむと
「どこの高校生のコンビニのバイト代ですか」
と鴇田は眉を吊り上げる。
ま、まぁ??こいつは指一本で、ほんの数秒パソコンを操るだけで数億を動かせる男だがな。
「何故時給換算するんですか」と鴇田は若干呆れ顔。
「だってお前に貸しを作りたくないし」
「私を金の亡者と思わないでください。
たまには慈善事業をしてもいいと思ったからです。
仮にもあなたは龍崎組のお嬢だし」
「……ふーん…まぁお前の考えは分かった。
……ところで…“じぜんじぎょー”って何??」
「………」
パタン
鴇田は新聞を閉じて、
「ボランティアのようなものです」
鴇田は簡単に言って、呆れたようにコーヒーに口を付けた。