。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



鴇田と二人きりで食事をするのはこれで二度目だ。


いや、お茶もしたことを合わせれば三度目か。


鴇田は―――


基本ムカつくヤツで大嫌いだけど、時々…ほんの時々だけど


なんかすっげぇ優しいときがあるんだよなー。


キリさんも最初なんでこんな男が好きなのか分からなかったけど、鴇田のこうゆう部分に惹かれたに違いない。


「おめぇあれか?ツンデレってヤツか?


あたしらの前では冷たいけどキリさんの前では甘えたりするのか?(想像したくないけど)」


あたしがからかうように笑うと


「彼女の前でも基本こうですよ。彼女の目的は私の体です」


真顔でさらりと言われて、


「お前、どんだけいいモン持ってンだよ!」


思わず突っ込んじまった。


「お嬢、男はものではなくテクですよ。何なら一度試してみます?


お嬢を天国へ連れてって差し上げますよ」


どこかで聞いた台詞だな…


ああ、昨日寝る前にキリさんがそんなようなこと言ってたような…


お似合いカップルだな。


そんなことを考えていると鴇田にニヤリ、と笑われてあたしの背中にぞぞぞと悪寒が浮かび上がった。


お前とだったらたとえ天国行きの切符を手に入れても地獄に堕ちるの間違いなしだ!


「だ、誰がお前なんかと!あたしの体は戒だけのものだっ」


昨日のキョウスケじゃないけど思わず両手で体を抱きしめると、


「冗談です」


鴇田は喉の奥でフっと笑い、


冗談キツ過ぎるぜ!!ぜんっぜん笑えねぇっつうの!




でも……



『彼の顔と体が目・当・て♪』



と豪語した昨夜のキリさんの言葉を思い出して


こいつベッドではどんなんなの!とちょっと気になってしまったり。





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