。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「こんなところで喧嘩してもしゃーないしな。
どーせバレてんやから、今更隠したってしゃーない言うか」
戒はあたしたちからつんと顔を逸らして腕を組む。
「またあなたは…可愛げないこと言うて…
素直に『協力して』言えばええやないですか」
キョウスケが呆れたように吐息をつき、
「そ、そうだよ!戒一人で抱え込んで、
あ、あたしのことまで考えてくれて!!
う、嬉しいよ!嬉しかったけど!」
あたしは戒を前に向かせて真正面から勢い込んだ。
戒がちょっと驚いたように目をまばたき
「でもいつだってあたしたちは三人一緒だったじゃんか!
あたしはお前が何かに悩んでるのなら助けになりたいし!
逆に相談してもらえなかったこと寂しかったし…
あんた一人で抱え込んで体壊して…もっとあたしたちを頼ってよ…」
「朔羅…」
戒が琥珀色のビー玉みたいな瞳を切なそうに揺らして、
あたしも戒を見上げた。
「戒…」
「朔羅……」
戒―――…!
仲直りのハグを期待して両手を広げたって言うのに、戒はあたしの横をあっさりスルー。
「響ちゃーーーーん!!」
ぎゅっ
あたしの背後に立っているキョウスケに抱きついて、
「響ちゃんっ!しくしく」
「はいはい。まったくあなたって人は世話の焼ける」
キョウスケは戒の頭をちょっと撫でて呆れたように吐息。
おい、戒!(怒)