。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
変態め!どこにでも現れるなっ!!
運命って言うか、もはや悪運だな。
もしやあたしのストーカーしてんじゃねぇ??
疑いのまなこでタイガを睨んでいると、
「僕は事務所のトイレットペーパー切れてたからお使いさ~♪」
タイガはトイレットロールのパックを手でかざしてにこにこ。
てかお前結構いい地位に居るのにパシリにされてるんじゃね??
「出た!疫病神っっ」
リコがい゛ーっ!と歯を剥きだしてあたしの影に隠れる。
「むっ!疫病神とは失礼な。
君とは良く会うね、小悪魔ちゃん」
嫌味たっぷりでこちらも威嚇しているタイガ。
大の大人が女子高生相手に張り合ってンなよー…
若干うんざりしていたが、タイガはエリナを目に入れると
「あれ??君は確か…うさぎちゃんと同じバイトの…」
と気づいたみたい。
「あ、はい!こないだは失礼しました!」
タイガ相手に謝らなくてもいいのにー…エリナは律儀に頭を下げている。
「リップ変えたんだ」
すっ
タイガはエリナの顎を、これまた自然な仕草で持ち上げると
「君にはそっちの方が似合うよ、子猫ちゃん」
タイガのフザケタ台詞にあたしはゾゾゾっ!と鳥肌を浮かべて両腕を抱きしめた。
き、キザっ!!
鷹雄のおやっさんとどっこいどっこいの女殺し!!
でももっと恐ろしいのが、こいつのこの行動は素で、こいつにとってはまったく普通だからだ。