。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
薔薇に水をあげ、ついでに花瓶ごと引き上げて戻ってくると
女子二人はまたもコスメトークで盛り上がっていて、今はエリナの化粧ポーチの中身がずらりとテーブルに広げられていた。
「ね、あたしたち三人だし、サクラ化粧してみない??」
わくわくと聞かれて、あたしは目をぱちぱち。
「え゛!ここでっ!?
てか見せるヤツいねぇし」
慌てて言うと
「旦那さま(龍崎くん)が帰ってくるじゃ~ん♪」
とリコが意味深ににんまり。
「たまにはメイクしてお洒落してさ、いつもと違う朔羅を見せてあげなよ☆
惚れ直すこと間違いなし☆」
そうかなぁ……
若干疑い深いが、
まぁきちんとメイクしてもらうのなんて早々ないし。
なんて軽い気持ちで受けることに。
「サクラの肌、すっごくきれい~♪ファンデはほとんど要らないね。
肌はいじらず、その印象的な大きな目をもっと華やかに。
アイラインとマスカラで目元ぱっちり。シャドウはほんのりピンク色が似合うかな」
「あ、でも二重の幅に上品なゴールド入れるといつもとは違った印象で大人っぽくなるかも。
シャドウと合わせてチークもベージュ系で、口紅も…
あ、さっき買ったのが合うかな~♪」
あたしはすっかりエリナとリコのおもちゃ。でもエリナとリコは楽しそうで、
ま、いいか。
「髪もいじっちゃお♪いつもふわふわ可愛いイメージがあったけれど、ストレートにしたら大人っぽくなるよ」
リコはあたしのお部屋にあったストレートアイロンをどこからか引っ張りだしてきて、
てか一回使ったきりそれ以来使ってないからほこりまみれになってたけど↓↓
その埃を払い、あたしの髪を伸ばす。
出来上がったのは―――