。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
――――…
「え!?あのおにーさんに告白してフられた!」
エリナが声をあげ、慌てて口を手で覆った。
お部屋に戻ったあたしたち……エリナは重苦しい空気を敢えて問いただすことはなく、明るい話題で話を逸らそうとしてるけれど、
その気遣いがリコには耐えられなかったみたい。
リコはキョウスケに告ってフられちゃったことをエリナに説明した。
「フられてもがんばるって決めたけど…やっぱりまだ辛いな~…
どう動けばいいのか分かんないし。
それに響輔さん……」
リコは言いかけてちらりとあたしの方を見て、慌てて頭を振った。
リコは体育座りをして無理やり笑顔。
「リコ……無理に笑うことないよ…悲しいときは泣けばいいんだよ」
あたしが眉を寄せて言うと
「そうだよ~、ストレス溜めるとお肌に悪いよ~」
あたしのすぐ後ろで…
何故か戒の声。
てかお前!女子三人の中に居ても全く違和感ねぇな!
普通に溶け込んでるし。
ま、まぁ…そんじょそこいらの女子より可愛くて品があるのは確かだけど。
黙ってりゃ、の話だけどな!
リコはあたしの後ろであたしの髪を櫛で梳かしている戒を見上げると、
「そりゃ龍崎くんは朔羅とラブラブだし、何とでも言えるよね。
龍崎くんぐらいかっこよくて、スマートで何でもできて、自信があって
そんな人にはあたしの気持ちなんて分からないよ」
いつものリコらしからぬ余裕のない表情で早口に呟いた。