。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
コトっ
戒が櫛をテーブルに置いて、
「何か勘違いしてね?」
あたしの背後で低く呟く。
「かっこよくてスマートで自信がある?
んなもん最初から備わってたもんじゃねぇよ。
スマートなのはそう見せてるだけ。影でめっちゃリサーチとかしとるし。
朔羅の前では常にかっこよくありたいから、そう見せる努力だってしてる。
それに、俺にだって超!強力なライバルは居るし、そいつにいつ朔羅をかっさわれるかひやひやしてる。
自信なんてこれっぽっちもねぇよ。
確かな何かなんて存在しないけど、でもこれだけは言える。
俺は朔羅が好きや。
めっちゃ好き―――、って」
戒はテーブルに置かれた折り畳みの鏡越しに真剣にあたしを見てきて、
あたしは恥ずかしいのやら嬉しいのやらで思わず顔を赤くしてうつむいた。
「俺、川上のことも好きだよ?
人間として女として可愛いと思うし、結構気に入ってた。
でも
今のお前、可愛くねぇ。
そんなんじゃ俺じゃなくても、響輔だって嫌になるっつうの」