。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



か、戒!!!!!


なんってこと言い出すんだよ!


「ちょっと!言い過ぎだよ!」


エリナが目を吊り上げて「そーだ、そーだ!」とあたしに同意すると、戒はあたしたちを冷たく一瞥。


あたしは慌ててリコを振り返ると


じわり…


リコの大きな目から涙の雫が浮かび上がった。


ぎょっ!


びっくりして慌ててリコの肩に手を置きながら


「き、気にするなよ!!!リコは何も悪くないしっ」


一生懸命宥めるも


リコは無言で立ち上がり、バッグを引っつかんで部屋の外へ飛び出していった。


「「リコ!」」


あたしとエリナが同時に声を上げて、あたしはリコの後を追いながら


「おい戒っ!おめぇ何てことしてくれたんだよ!


リコは失恋して傷心中だってのに!!


あたしはリコを追うからお前はエリナの傍に居ろ!」


あたしは戒に命じて一人リコを追いかけることに。


戒はちょっとだけ反省しているのか面目なさそうにこめかみを掻いていただけだった。


「リコ!」


リコはあたしの呼びかけにも止まらず廊下を走っていき。




ドンっ!



途中でタクと派手にぶつかった。


予期せぬ衝突だったのかタクがびっくりしたように


「へっ!リコさん!?」と目をぱちぱち。


リコは目尻を乱暴に拭って、


「ごめんなさい…」小さく謝りながらも走り去っていく。


あたしはまだ呆けているタクの横を素通りして



「悪りいな、今取り込み中なんだ」



早口に言ってリコの後を追いかけていると


「涙を浮かべたリコさん……イイ!!」



と違った意味で一人興奮しているタク。


おめぇは!もっと空気を読めっ!!









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