。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
例のごとく掴み合いの喧嘩に発展していた戒の尻ポケットから、さっき戒が抜き取ったであろう書類が落ちた。
その書類に気付かずキョウスケとの喧嘩を続けている戒。
あたしはその書類を拾うと、喧嘩している二人の前で書類を広げた。
それは履歴書だった。
新垣 エリナの顔写真が貼ってある。
丁寧な書き込みがしてあるのを見て、それが新垣 エリナ本人の字であることが分かった。
住所や電話番号は偽ってはなさそうだけど、生年月日と満年齢を見てあたしは目を開いた。
「平成X年12月18日生。満20歳!?」
あたしの声に、喧嘩をしていた二人がぴたり、と動きを止めた。
「え?20歳??俺より年上…?」
キョウスケが目をまばたき
「アホ。んなわけあるか!こりゃ嘘に決まってンだろ!」
戒があたしの手から履歴書を取り上げた。
へ……
嘘!?
「新垣 エリナは年齢偽って、このガールズバーでバイトしてたんや。
今は辞めたけど、俺はその就業履歴を削除しにきたってワケ」
年齢偽って…
ええ!?
何で!