。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
キョウスケが指定してきたのは都内のファミレスだった。幸いなことに俺の居た場所とそれほど離れていない。
大型チェーンのどこでも見るカラフルな店構えに足を踏み入れると、キョウスケの姿をすぐに発見できた。
キョウスケは喫煙席のボックス席でノートPCを開きながら腕を組み、頭を揺らしていた。
店員の案内も適当にあしらいキョウスケに近づくと
……寝てる??
キョウスケは腕を組み、寝息を立てていた。
なるほど。さっきのフザケタ会話は寝ぼけてたってことか?
てかこの格好で寝れるとか、器用なヤツだな…
ノートパソコンの傍にはコーヒーカップがおいてあり、その中身はほとんど減っていない。
意味深な寝不足姿に、イチと何かあったのかと一瞬勘ぐったが、それよりも開かれたノートPCの方に興味が湧いた。
キョウスケの隣の席に回りこみ、スクリーンセイバーになっている画面を覗き込む。
キョウスケを起こさないようそっとタッチボードに触れると、ぱっと画面が変った。
そこに映っていたのは―――
エロゲー??
二次元の女が、これまた朝から刺激のある姿で現れ、俺は思わず目を疑った。
こいつ…こうゆう趣味があったのか…
意外過ぎるぜ。
まぁ趣味は人それぞれだしな。これに関してはあれこれ言わないでおこう…と思ったが…
ん?
でもこの女―――明るい長い髪や、ちょっと気の強そうな印象的な目元は……
イチに似ている気がするが。
「良くできてるでしょう?モデルは一結です」
いつの間に起き出したのか、キョウスケは目だけをあげて冷めた目で画面を目配せ。
勝手にパソコンを覗いた言い訳も浮かばず、そもそも今更言い訳をしてもしょうがないが
「お前が作ったのか?」
席を退くこともせず、思わずその場で聞くと
「まさか、知人のゲーマーですよ。いわゆるオタクってヤツ??
ゲームにしたら儲かるかなて」
キョウスケは俺の前だと言うのにさらり。
怒りを通り越して呆れた。
「やめろ。
人の娘を勝手に売りもんにしてんじゃねぇ」