。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



「詳しい話は後で話す。どうせ新垣 エリナと合流することになってるから。


とりあえずパソコンに保存してあるデータを削除したいんやけど」


戒はちらりとキョウスケを見ると


「最初から相談してくれれば良かったのに」とキョウスケはまだブツブツ。


最初は面倒そうにしていたけど、真剣にパソコンモニターに向かった。


けれど


「パスもロックナンバーも分からなければさすがにお手上げです。


このパソコンがオンラインになったら外部から切断して一気にデータを削除することもできますが」


「つ、つまり…誰かがこのパソコンを開いたらデータを消すことができるってこと?」


あたしが聞くと、


「そうゆうことです。時限爆弾用のウィルスを送り込むことは簡単ですがね」


「だが、お前のパソコンからすると足が付く恐れが多いな」


戒がキョウスケの背後からパソコンを覗きこみ目を細める。


「ええ。普通の人間なら分からないと思いますがね、


はたしてスネークの目に付かないか、と言われると自信がありません」


ハイテクなことはあたしはまるきり分からないが、何となく分かる単語を拾うと


「だ、誰か他の人のパソコンだったら良いってこと?」


あたしが聞くと、


「高度なスペックがあるなら、可能だと思います」


キョウスケはモニターを睨みながらも淡々と答えてくれた。


「鴇田は!?あいつのパソコンなら間違いない!


何せお前が青龍会本部の見取り図をハッキングした痕跡を見つけ出したからな!」


あたしが言うと


「なるほど、それならイケそうだが…


でも鴇田のパソコンもスネークがマークしてる可能性もある」


戒は口元に手をやって小さく唸り声を上げた。


「これじゃ時限爆弾仕込むどころか、こっちが仕掛けたら一気に爆発するじゃん」


あたしがシュンと項垂れると







「一つだけ安全なパソコンがあります」






キョウスケが思いついたように目を開いた。


「「安全な?」」


あたしと戒の声が重なって








「大狼さんのパソコンですよ」








変態タイガの―――







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