。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。


題して“キモ金髪の別荘で仲直り&親密になっちゃえ”作戦だ!


我ながら良い案だと思ったが、


「え…でもそれって騙すってこと??」


エリナはちょっと心配そう。


「まーそうゆうことだよな。響輔のヤツ川上が居るて気づいたら帰るかもよ?


逆もまたしかり。俺が居るって気付いたらアイツが避けるかも」


と戒もちょっと自信なげだ。


一応傷つけた自覚はあるのか、いつもなら強引に決めちまう戒が珍しく大人しい。


唯一賛成してくれたのが


「いいッスね!それで行きましょうよ!」


キモ金髪一人だった。



「みんなでわいわいやってたらわだかまりなんか消えてくって」


あたしが言ったが、


「川上はともかく響輔がみんなでわいわい楽しめるキャラか?あいつ普段でもめっちゃテンション低いじゃん」


「お前がテンション高いからちょーどいいよ」


あたしがさらに言って戒を説得させようとしているときだった。


キモ金髪の背後で男が一人、入店してきてドアベルの音が鳴った。


「いらっしゃいま…」



条件反射で挨拶をしようとしたけれど、最後の言葉を言い終わらないうちにあたしはその場で固まった。


そろりと隣のエリナを見ると、エリナもギクリとしたように固まり…顔面を蒼白にさせて俯く。


戒もその男の存在に気づいて、視線を険しくさせた。






「やぁエリナ。偶然だな。ここでバイトしてたんだ」






入ってきたのはエリナを尾け回していた淫行コーチだった。









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