。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
偶然―――なんてあるかよ。
絶対尾行したかなんかで調べたに違いない。
戒がエリナの一歩前に出てエリナを淫行コーチから隠すように立ちはだかる。
声を低めて
「ご注文は?」
と、一応客に接する態度で聞いた。
「エリナ、ここはいいから厨房入ってきなよ」
あたしも厨房を目配せすると
「アイスコーヒーを。エリナ今日は何時あがりだい?」
と、この不穏な空気を全く読めていないバカ淫行コーチがエリナを覗き込むように聞いてくる。
迷惑がってンのが分からないのかよ、このクソ淫行コーチ!!
あたしがガン垂れていると、
「きょ、今日はみんなと…先輩の家でバーベキューする予定があるんです…」
エリナが絞りだすかのような声でキモ金髪を目配せ。
突然名指されたキモ金髪野郎は状況がイマイチ理解できてないのか、
「え??」と自分を指差し。
「いいから、適当に話合わせろ」とあたしが目で訴えると
「そ、そーだったね!!」とキモ金髪が慌てて頷く。
淫行コーチはキモ金髪を、汚らわしい何かを見るような目つきで視線を走らせ
「こんな不良と?エリナ付き合う人間は考えた方がいい」
と言い出した。
はぁ!!?
何言い出すんだ、こいつ!!