。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。



叔父貴も大概、俺様なお人だから鴇田は苦労してんだろうな~


だから太れないんだ、かわいそうに…


と、ちょっと哀れみの目で鴇田を見てしまった。


「お嬢…私をそんな目で見ないでください。


私は大丈夫です、慣れていますので」


と、何故かあたしの考え読まれてるし。


「ところで、さっきのあの男。


あの様子じゃまだ諦めませんよ、きっと」


鴇田は指についたバルサミコソースを舌で舐め取り、


てか食うの早っ!と驚くほど早いペースで紙の包み紙を丸めてる。


「まぁ、ねちっこそうなツラしてたしな」


「今は店だから私も下手な動きが取れませんが、今度見つけたら二度とあのツラをお嬢のお友達の前に現せないようしっかり脅し、かけておきます」


「……お、おう!頼もしいな!」


鴇田はコーヒーを半分以上残し、


「キリ、私は先に車に戻っている。お前はゆっくりしていけ」


どこか顔色悪そうに胃の辺りを押さえながら立ち上がる鴇田。


「それでは失礼します、お嬢……」



そのまま立ち去ると思いきや、鴇田は無表情にあたしを見下ろしてきて




その手をそっとあたしの顔に伸ばしてきた。




ガタっ!


遠くで戒がレジカウンターから飛び越えてきそうな勢いでこちらを睨んでいて、それをまだ帰っていなかったのかキモ金髪が必死に取り押さえている。


ビクっ


あたしが小さく肩を震わせると


「ソース、ついてますよ」


鴇田はそっけなく言ってあたしの口元を指の腹でそっと拭った。



へ――――…??



何が何だか分からず目をぱちぱちさせていると、鴇田は指についたソースを違和感なく舐めながら


今度こそ立ち去っていった。


い、今のは……な、何なんだーーー!!?







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