。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
「衛星の顔認証システムの塗り替えもそうなんですが、実はもう一つ報告しておきたいことがありまして」
キョウスケは言い辛そうに言葉を濁し、
「「何でぃ?早く言いやがれ」」
短気なあたしと戒は声をそろえてキョウスケを急かした。
二人から詰め寄られてキョウスケは若干逃げ腰。
両手を軽く挙げて
「今朝、鴇田さんに会いました」
鴇田―――……?
「何で…?偶然?」
あたしが聞くと
「いいえ、向こうから会いたいと言ってきました。個人的な話をしただけです」
個人的な話…?
イチのことか!イチは鴇田の近親者だったからな。
はっ!もしかしてあれか『お嬢さんをください』ってヤツか!!?
「早まるな!キョウスケっ!」
思わずキョウスケの肩を掴んでガクガク揺すると、
「何を早まるって言うんですか。まぁ大体想像はつきますけどね」
キョウスケは呆れ顔。
「じゃぁ何だって言うんだよ。もったいぶるなよ」
戒もせっかちに腕を組み、
「鴇田さんのところに“S”と言う人間から接触があったようです」
S……
S!!
はっとなって口元に手をやりあたしはキョウスケを指差した。
「ドS!!?」