。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。
ニュースか何かなのだろう。
それもインターネットの動画サイトみたいだった。
『昨夜未明、杉並区の空き倉庫で出火があると通報があり、中から身元不明の焼死体が二体発見されました』
焼死体……二体―――……
『解剖の結果、遺体は大量のコカインを摂取していた模様で、薬物中毒死の疑いも出てきました。
なお、この空き倉庫は暴力団組員『畑中組』の名義であり、
警視庁は暴力団組員同士の何らかの抗争、トラブルに二人が巻き込まれたものと考えております。
現在、警視庁は『畑中組』とコカインの繋がり、そして殺された二人の男性の身元を特定する捜査に乗り出しています』
畑中組、コカイン……!!
「マズいな。ここまでおおっぴらに出たら警察が黙っちゃいねぇだろうな」
戒は口元に手を当て険しい顔つき。
「でもクラブZに出向く手間が省けていいじゃないか!」
あたしは拳を握って勢い込んだけど、
だけど戒は
「サツになだれ込まれたら証拠も全部持っていかれちまう。
そしたらスネークの手がかりを失うだろう」
唸るように言われて、
そっか……そうだよな…
と、あたしはシュン。
「ここまでおおっぴらにマスコミに情報が流れているので、しばらく畑中組も大人しくしてると思いますよ。
ただし、それは表向きでヤツらにとって麻薬の取引は組の生命線です。
ちょっと騒がれたからって全てを中止にするわけじゃないと思います。
元々厳重過ぎるぐらい、ヤツらは警戒してますしね」
「つまりは……自分んとこの組が疑われてる状態でも、サツの目を欺いて麻薬の取り引きは続けてる!ってそう言いたいんか?」
あたしが人差し指を立てると
「おそらくそうでしょうね」
キョウスケは真剣な顔で頷いた。